荻野さんの学びと現在の方法

整枝剪定がぶどう栽培において重要になります。私自身が元々ジュエリー業界に身を置いていたこともあり、最初は全てが手探り状態でスタートしました。

就農間もないころ、ブドウ栽培において技術のある方のもとで、剪定から始まり、年間を通したブドウ栽培管理、ブドウ農家としての根幹となる考えかたなどを指導して頂きました。そこで教わったものを自分の畑に帰って実践する、それの繰り返しで剪定技術を磨いてきました。
その年に枝を切った時に「それが最適だったのか?」その答えはその年のブドウを収穫する時にならないと分かりません。枝を切る剪定作業はとても繊細で、まるで子どもを育てるものに似ております。

剪定が上手く出来ていないと「木が暴れる」とも表現するんですが、枝が元気をなくしてしまったりと美味しいブドウが出来なくなってしまいます。

ぶどうの木を作る最初の3年は、子どもを育てるのと同様で、とても重要な期間になります。「これが正解!」とはっきりと分かるものではありませんが、「去年よりは上手くいった」と少しずつですが、自分の剪定作業にも自信を持てるようになりました。

元々学ぶのが好きな性格ですが、指導して下さった方の剪定技術の高さと、何故その作業が必要なのかを一から教えて下さった周りの方に支えられて今に至っております。

ご指導頂いた技術を自分の理解にしっかりと落とし込み、木や品種や接木に合った対応をしていき、「その子(その木)」に合った手入れをしています。

ぶどうの木も成木に10年かかると言われているので、まだ自分が就農して5年目になり、折り返し地点になります。整枝剪定の技術は、自分自身が目標としているレベルに少しでも近づけるよう、そしてこれからも美味しいブドウで皆さまに喜んでいただけるように、日々努力し剪定技術を磨いております。

技術の習得や剪定作業自体は、時間も手間もかかりますが、ブドウを食べた方が喜んでくれることがやりがいに繋がっております。