ブドウの剪定の基礎知識 〜最適な時期、剪定方法について〜
品質のよいブドウを収穫するために剪定作業は欠かせません。
ブドウの枝を剪定せずそのままにしておくと、必要な枝の細部にまで栄養が届かず、収穫量や糖度に大きな影響が出てしまいます。
それほど、剪定作業はブドウにとって一年の中でも重要な作業の一つとなります。
剪定時期
剪定を行う時期としては、ブドウの収穫後の落葉期を迎える12月~3月頃が一般的です。
ブドウの木は冬になると葉を落として枝だけになります。
そのためブドウの生育状態がわかりやすく、枝やツルが伸びきっていることから剪定すべき場所が明確になり、多くの果樹園では大規模な剪定作業が行われる時期となっています。
剪定の種類
ブドウの剪定は、経験が必要とされる作業であり、剪定方法や時期を間違えると、枝や実にダメージを与えてしまうことや、生育が阻害されてしまうことがあります。
ブドウの剪定には、大きく分けると、「長梢剪定」と「短梢剪定」の2種類があります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、品種や栽培環境に合わせて剪定方法を選ぶことが大切です。
1.長梢剪定(ちょうしょうせんてい)
長梢剪定は、枝を長くし、すべての枝から4本程度残して切り詰める方法です。樹勢が落ち着くため実のつきが良く、コントロールがしやすくなります。メリットは、品種に制限がないことです。デメリットは、剪定する枝を適切に判断しなければ、ブドウの品質に大きく影響が出ることがあげられます。また、成木を迎えるまで10年はかかるため、それまでは生産が安定しません。
そこで、成木を迎えるまでの期間を短縮できるのが、ロケット剪定です。ロケット剪定は、残す枝の本数を減らすことで、成木までの期間が短縮されます。立派に育った主幹から果実まで、まっすぐ栄養が行き渡るため、大きく甘い実の生産量を増やせるとして、注目を集めています。
2.短梢剪定(たんしょうせんてい)
短梢剪定は、主幹を伸ばさずに芽のみを残して枝を短く残す方法です。
長梢剪定に比べると剪定方法がわかりやすく、広く取り入れられた剪定方法の一つでもあります。成木までの期間も長梢剪定に比べ短くなるメリットもあります。
一方で、栄養成長が優先されて収穫時期が遅くなったりすることもあるので、栽培スケジュールの計画管理が必要です。
短梢剪定は、決まったルール(1〜2の芽)を剪定する為、素人でも簡単に管理ができる。
▶︎木にストレスを加える(木が暴れやすい)剪定方法になります。
長梢剪定になると、ストレスを与えず、成木のバランスを見て剪定する為、長年の技術が必要になります。
いずれにせよ品質の良いブドウを栽培するための一つとして、剪定のタイミング、剪定知識・技術を身につける必要があります。
それぞれのいいところを理解して応用していきながら、今後も目的に合わせて栽培していくことが重要だと感じています。