山梨県内は、気候や風土の違いによって主に4つの地域に分けられます。それぞれの地域では、その特性に応じた果樹や農産物が栽培され、地域の経済や文化に貢献しています。
①中北地域(県内北西)では、多くの地域でお米の栽培が行われており、県内のお米の半分以上がこの地域で生産されています。特に八ヶ岳南山麓では、標高や気候条件が高原野菜や畜産に適しており、新鮮な野菜や肉製品が生産されています。また、甲府盆地西側や御勅使川扇状地では、温暖な気候と豊かな水が果物の栽培に適しており、もも・すもも・サクランボなどが栽培されています。南部地域では、きゅうりなどの施設栽培が盛んです。
②峡東地域(県中央部)では、甲府盆地東部が果物の栽培に適した地域で、特にぶどう・桃・柿の栽培が中心です。県内の栽培面積の65%がこの地域で占められています。一方、南部ではナスやスイートコーンなどの露地栽培が行われています。
③峡南地域(県内南西)では、富士川沿いの温暖な気候を活かして茶の栽培が盛んです。また、伝統的でこだわりのある農産物やスイートコーンなども露地栽培されています。
④富士・東部地域(県東部)では、南部に位置する富士山の山麓地域が特徴的です。高冷地に位置するため、キャベツなどの高原野菜や花の生産、酪農が盛んです。また、観光と結びつけたスイートコーンなどの露地野菜や、湧き水を利用したクレソン・水かけ菜・わさびなどの特産野菜も栽培されています。
山梨県は、これらの特性を活かした農業が行われることで、豊かな食材を提供し、地域経済の発展に貢献しています。特に、ぶどう・桃・すももは県内で最も生産量が多く、全国でも高いシェアを誇っています。