—OGINO VINEYARDが歩む“誇り高き農業”への挑戦—
1. 美しき果実に導かれて
シャインマスカット——その名前に、太陽の光を浴びた果実の瑞々しさと、爽やかに弾ける甘みを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。美味しいマスカットが、まるで宝石のように一房一房並ぶ光景。その裏側にあるのは、農家の情熱とたゆまぬ努力です。
OGINO VINEYARDがシャインマスカットの生産に挑戦したのは、単なる果実栽培に留まらず、「人の心を動かす農業」を実現したいという強い想いがあったから。
“農業が変われば、地域が変わる。人生も変わる。”
それは挑戦という言葉を日常に変えていく、新しい農のかたちへの一歩でした。
2. 「農業で生きる」を選んだ決意
OGINO VINEYARD代表・荻野氏が農業の道に進んだ背景には、自然と共に生きる豊かさを未来へつなぐ覚悟がありました。会社勤めという安定した道をあえて離れ、選んだのは“果樹農家”という一見険しい選択肢。
シャインマスカットは、見た目の華やかさとは裏腹に、きわめて繊細で栽培難易度の高い果樹です。少しの管理ミスが味や房の形に直結し、出荷基準を満たせないことも珍しくありません。
それでも「この果実には、価値がある」と確信し、日々の圃場管理・剪定・袋掛け・糖度管理に全身全霊を注ぐ。挑戦とは、自ら困難の中に足を踏み入れることであり、その先にしか得られない“やりがい”があると、OGINO VINEYARDは証明しています。
3. 産地でなくても勝てる。「質」で選ばれるマスカットへ
山梨や長野といった“産地ブランド”が存在する中で、OGINO VINEYARDが拠点を置くのは、決してマスカットの一大産地ではありません。
しかし、それが逆に「勝負する理由」になりました。
「場所ではなく、品質で評価されるマスカットを作ろう」
そのために導入したのが、高設栽培や雨除けハウス、独自の栽培カレンダーなど、高度な技術と管理体制。日照や水分量、土壌のpHまでデータ化し、一房ごとの成長状態を“見える化”していく。
OGINO VINEYARDが目指すのは「誰が作ったか」が主役になる農業。ブランドの力ではなく、生産者の思いと技術が味を決める。そんな風土を一つひとつ耕していくように、彼らは挑戦を重ねています。
4. “自然との対話”が生む、果実の個性
マスカット栽培の魅力は、単に甘い果実をつくることではありません。
シャインマスカットという品種の中でも、育て方やその年の気象条件によって、微妙に風味が変化する。その違いを感じとりながら育てることは、まるで“自然と会話している”かのようだと、OGINO VINEYARDの荻野氏は語ります。
「農業は“正解がない”ことが面白いんです。去年と同じことをしても、同じものはできない。でもそれが、やりがいにつながる」
雨が続いたらどう対応するか。暑すぎる夏に果実を守るにはどうするか。一つひとつが挑戦であり、それが果実の“個性”となって、食べる人の心に残っていくのです。
5. つなげる、つながる。農業のその先へ
OGINO VINEYARDは、マスカットの出荷だけを目的としません。収穫の喜びをお客様と分かち合い、果実に宿る物語を“体験”として届けることを大切にしています。
定期便での販売、贈答用のブランディング、そしてオリジナルジュースや加工品の展開。さらに、地元の子どもたちと一緒にブドウを収穫するイベントなど、農園は“地域との接点”の場にもなっています。
農業は、単なる生産ではなく「人と人をつなげる」仕事。
シャインマスカットという果実を通して、“地域の価値”を再発見し、“人と自然の距離”を縮めていく。それがOGINO VINEYARDの挑戦であり、誇りでもあるのです。
6. 未来へ紡ぐ、一房の夢
マスカットの栽培は、短期的な収益だけを見れば、リスクも多く、決して簡単ではありません。
それでもOGINO VINEYARDが続ける理由は、そこに“未来への希望”があるから。
「子どもたちが大人になった時、『農業ってかっこいい』『自分もやってみたい』と思ってくれるような仕事にしたい」
一房のマスカットに込められた想いは、単なる“農作物”の域を越え、人の心を動かすメッセージになっています。
それは、OGINO VINEYARDが今もなお挑戦を続ける、もっとも大きな理由なのです。
▼まとめ：挑戦は、農業の可能性を広げる
マスカット栽培の道は決して平坦ではありません。しかしその中にあるのは、「作る人」「届ける人」「受け取る人」の間を結びつける深いよろこび。
OGINO VINEYARDが語る“挑戦の価値”は、農業の可能性をもう一度信じさせてくれるものです。
果実に魅せられ、人に伝え、地域と共に育てていく。
マスカットの一房には、そのすべてが詰まっています。