「ピエモヴェリータ(PIEMO VERITA)」を掲げるOGINO VINEYARDは、ただ美味しいマスカットを作るのではなく、“真実を伝えるぶどう”という理念のもと、日々栽培と向き合っています。この記事では、マスカット栽培に挑戦することで得られる“やりがい”と“楽しさ”について、実際の経験をもとに紐解いていきます。

マスカット栽培は「自然との対話」
マスカットは、非常に繊細な果実です。土壌、水分、気温、湿度、日照、そして風──。あらゆる自然条件が味わいと品質に影響を与えます。つまり、マスカット栽培とは「自然と対話する仕事」。
畑に立ち、葉の色を見て、風の匂いを感じ、虫の気配を察知する。
この“気づき”の積み重ねが、果実を育てる力となります。

最初は戸惑うかもしれません。「葉の向きが変だな」「昨日より土が硬いな」──そんな小さな違和感が、大きなトラブルの予兆であることもあります。けれど、観察力と経験を積んでいくうちに、“声なき声”を聞き取る力が自然と養われていくのです。

そして、それが収穫の喜びに繋がります。自分の手で、自然と向き合い、育てた果実が輝きを放つ瞬間──その手応えこそが、マスカット栽培の醍醐味です。

「1房に込める想い」──品質を超える美学
OGINO VINEYARDでは、ただ収量を上げることを目指していません。大切にしているのは“質の哲学”。一房一房に向き合い、完璧なバランスで仕立てあげる。それは芸術品を作り上げる職人のような作業でもあります。

花が咲く前の整房から始まり、袋かけや摘粒、樹勢管理、糖度調整、熟度の見極めまで──そのすべてに明確な意図と判断が存在します。「この枝は残そう」「この実は外そう」。そうした一つひとつの判断が、ぶどうの個性を引き出し、食べた人の感動へとつながっていくのです。

生産者としての“表現の自由”を最大限に発揮できる点に、マスカット栽培の楽しさが宿っています。

「挑戦」とは、自分と向き合うこと
新しい剪定方法を試す、異なる資材を導入する、収穫時期をずらしてみる──。
挑戦とは、“変化を恐れず、一歩踏み出すこと”。

マスカット栽培に限らず農業は、自然相手である以上、教科書通りにはいきません。天候の変動、病害虫、予期せぬリスク。それでも、「こうすればもっと良くなるかもしれない」「自分らしい栽培とは何か」を模索し続けることが、生産者としての成長に直結します。

結果がすぐに出ないこともあります。しかし、うまくいかなかった経験もまた、必ず次に生きてきます。
試行錯誤のなかにこそ、“自分と向き合う楽しさ”があるのです。

「ファンの存在」が支えになる
OGINO VINEYARDのマスカットは、全国のリピーターから愛されています。
一度食べたら忘れられない、まるで宝石のような果実──その評判は、口コミを通じて徐々に広がりを見せています。

生産者として、何より励みになるのが「美味しかった!」「また買います!」という声です。
ただの果物ではなく、「人生の楽しみ」としてマスカットが誰かの日常を彩っている。
この事実こそが、大きなやりがいへとつながります。

誰かの特別な日に選ばれる果実を育てているという誇りが、日々の作業を支えてくれるのです。

「マスカットの未来」を自分たちの手でつくる
温暖化の影響や耕作放棄地の拡大など、農業を取り巻く環境は厳しさを増しています。そんななかで、マスカット栽培に挑むという選択は、決して容易な道ではありません。

しかし、それでも「やってみよう」「自分の畑から何かを変えたい」と動き出す生産者がいるからこそ、新しい価値が生まれていきます。

OGINO VINEYARDは、「ピエモヴェリータ=真実を込めた一房」にこだわり続けることで、マスカットの可能性を信じ、未来へと橋をかけています。

あなたもきっと、最初は「自分にできるだろうか」と不安を抱くかもしれません。
けれど、その不安の先には、「思っていた以上の喜び」が待っています。

最後に──マスカット栽培は、生き方を耕すこと
マスカット栽培は、自然と向き合い、自分と向き合い、誰かを幸せにする仕事です。
それは、単なる農作業ではなく、“生き方そのもの”と言っても過言ではありません。

挑戦の先にあるのは、努力が報われる瞬間。
そして、作り手だけが味わえる特別な風景です。

マスカット栽培の楽しさに魅了された生産者が、今日も畑に立っています。
あなたもぜひ、その世界に一歩足を踏み入れてみませんか?